IWASEコラム

【続】気になりませんか? 機能性表示食品制度のこれから

機能性表示食品制度の見直しと今後の在り方について2024年6月のコラムでもご紹介させていただきましたが、この9月1日から施行された内容がございますので、改めて各項目についてご案内させていただきます。

「2024年6月のコラムはこちら」

まずは、改めてになりますが機能性表示食品についてです。

機能性表示食品制度とは、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。
特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行いませんので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります。
機能性表示食品については、事業者が消費者庁長官に届け出た内容(安全性及び機能性の根拠に関する情報、生産・製造及び品質の管理に関する情報等)は、消費者庁ウェブサイトで誰でも確認できることとしています。

  (消費者庁ホームページより抜粋)

紅麹関連製品による健康被害の事案を受けて、制度の信憑性を高める観点から、8月23日に食品表示基準の一部を改正する内閣府令が公布されました。
それでは公布された主な改正内容を見ていきましょう。

健康被害情報の取り扱い

2024年9月1日施行即日実施で健康被害の情報提供が義務化されました。

健康被害と疑われる情報(医師が診断したものに限る。)を把握した場合

提供期限については、重篤度等に対応した明確なルールを設ける

2つ事例をあげさせていただいておりますが、上記以外にも様々なパターンがございますのでご注意ください。

GMPの要件化

2024年9月1日施行で、2026年9月1日実施と2年間の猶予期間が設けられていますが、製造工程管理による製品の品質の確保を徹底する観点から、機能性表示を行うサプリメント*についてはGMPに基づく製造管理を届出者の遵守事項とすることになります。

*機能性表示食品のうち天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品
(参考)【内閣府告示第百八号】

届出情報の表示方法の見直し

容器包装の表示情報についても見直しがなされ、表示事項が2024年9月1日施行で改正されました。
ただし、事業者の実行可能性(包材の切り替え等)を考慮し2年間の猶予期間が設けられ、2026年9月1日から実施されます。

  1. 機能性表示食品である旨は、容器包装の主要面の上部「機能性表示食品」の文字を枠で囲んで表示する。
  2. 届出番号は、機能性表示食品である旨の表示に近接した箇所に表示する。
  3. SR:機能性関与成分が有する機能性を表示する場合にあたっては、機能性関与成分の名称及び当該機能性関与成分が有する機能性を
      科学的根拠に基づき表示する。
      その際、当該機能性について報告されている旨を的確に示す文言を表示する。
    ⇒SRでの届出で「〇〇(機能)する」「〇〇を下げる」等の言い切る表現は不可に。
    RCT:機能性関与成分を含有する食品が有する機能性を表示する場合にあたっては、機能性関与成分の名称及び当該機能性関与成分を
       含有する食品が有する機能性を科学的根拠に基づき表示する。
    ⇒RCTでの届出では「〇〇(機能性関与成分名)が含まれるので、□□の機能があります」と表示する。
    RCT、SRに関わらず関与成分の名称も表示する。
  4. 「届出表示」は「機能性表示」と表示する。
  5. 定型文の変更:「本品は、特定保健用食品とことなり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」
  6. 摂取上の注意:医薬品及び他の機能性関与成分との相互作用、過剰摂取等に係る注意喚起等について、当該機能性関与成分の安全性に関する科学的根拠を踏まえて具体的に表示する。
  7. 医薬品と異なり、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨又は医薬品ではない旨を表示する。
  8. 疾病に罹患している者は医師に、医薬品を服用している者は医師、薬剤師に摂取について相談すべき旨を表示する。

届出確認期間の見直し

2025年4月1日施行即日実施で届出られた内容を確認し受け付ける期間が変更されます。
従来は60日でしたが、2025年4月1日以降は60営業日に変更されます。
また、新規成分に係る届出資料を慎重に確認する手続きとして、表示内容等の確認に時間を要すると消費者庁長官が認める場合、特例として期間が延長され、専門家からの意見聴取が行われます。
その際の受け付け期間は120営業日となります。

その他信頼性の確保のための措置

PRISMA2020の準拠について、2025年4月からの新規届出から導入
・届出後の定期的な自己評価・公表など、届出後の遵守事項の遵守を要件化

機能性表示食品の開発をサポートします

日々変化する消費者庁の動向状況を捉え、届出書類の作成サポートや、届出業務のサポートを承っておりますので、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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関連リンク:消費者庁

【食品表示基準の一部改正及び食品表示基準別表第26の5の項の規定に基づき内閣総理大臣が定める届出の方法を定める告示の制定について】

【機能性表示食品の今後について】

【届出マニュアル】

この記事を書いた人

藤井 元人

ウェルネス事業部

口に入れる食品原料や製品取り扱うウェルネス事業部に所属しています。
いろいろなモノを口に入れすぎて、最近では植物エキスの苦味も美味しく感じるようになりました。

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