IWASEコラム

プラチナナノコロイド、そのメカニズムと働き

ナノテクノロジーを活用したプラチナナノコロイドを使用した商品が注目されています。
プラチナナノコロイドは抗酸化作用があることが確認されています。活性酸素によって引き起こされるしわやしみなど、肌の老化現象とされる状態の発生を抑制することが期待されています。こうした働きが注目を集め、特に女性を中心に、スキンケア化粧品やサプリメントなどで徐々に認知度を高めているようです。

今回はプラチナナノコロイドについて紹介するとともに、抗酸化作用のメカニズム、期待される作用などを紹介します。

プラチナナノコロイドとは

プラチナナノコロイドとは、平均約2ナノメートル(10億分の2メートル)ほどの微粒子状のプラチナが、液体・気体などの中で結晶化せず、分散している状態をいいます。ナノテクノロジーにより原子・分子レベルまで超微粒子化することで、

  • 表面電子の供与による還元作用
  • 膨大な比表面積により吸着効果

を発揮するとされています。

つまり老化の原因のひとつと考えられている活性酸素種を除去する特徴を持っているのです。

また、プラチナは化学反応を起こさない安定性の高い物質です。酸化しないため連続的に活性酸素を除去でき、ほかの抗酸化原料にはない恒久的な活性酸素の除去機能を有します。プラチナナノコロイドもまた、活性酸素を取り除き続けることができる物質だとされています。

プラチナナノコロイドに期待される効果

それでは、プラチナナノコロイドの具体的な作用や期待される効果とは、どのようなものでしょうか?

プラチナナノコロイドの抗酸化作用

そもそもプラチナナノコロイドが除去機能を発揮する「活性酸素」とはなんなのでしょうか? 活性酸素とは、酸素のなかでも「物質を酸化させる力がある酸素」のことをいいます。「鉄がさびる」のも酸化作用によるもので、酸化すると物質を劣化させることにつながるのです。

活性酵素は体内で有害物質や細菌、ウイルスなどを攻撃し、健康を維持することに貢献しているほか、体内の酵素の働きを促す役目も担っています。しかし、活性酸素が増えすぎると病気(動脈硬化、糖尿病など)の原因ともなることがわかっています。また細胞の劣化に寄与しているのも活性酸素なのです。つまり、活性酸素は体内で健康維持に貢献している一方で、細胞の劣化をもたらしているのです。

増えすぎた活性酸素によって、皮膚のしみ・しわなどの症状が、老化現象として出てくることにもなります。
プラチナナノコロイドが抗酸化作用を発揮して、活性酸素が増えすぎるのを抑えることで、健康を維持しやすくなると考えられています。

プラチナナノコロイドが力を発揮する活性酸素の種類

プラチナナノコロイドは、活性酸素のなかでも、

  • 体内に多く発生するスーパーオキサイドアニオンラジカル
  • 最も酸化力のあるヒドロキシルラジカル
  • ヒドロキシルラジカルを生成しやすい一重項酸素
  • 紫外線の照射により発生する過酸化水素

に対して特に高い抗酸化力を発揮します。この4つの活性酸素は、活性酸素のなかでも酸化力が強く、互いに関連性のある「4大活性酸素」と呼ばれます。

プラチナナノコロイドは酸化しないから安心

多くの抗酸化物質がほかの物質に対して抗酸化作用を発揮する一方で、自らが酸化して身体に影響を与える可能性を指摘されています。これに対して、プラチナナノコロイドは酸化しないため、「酸化後の抗酸化物質の悪影響」を懸念しなくてよいという利点を持ちます。

ただし、製品に使われたプラチナナノコロイドであっても、経口摂取量は規定された量を守ることが原則です。効果を期待するあまり定められた量以上を使用しても、効果がないばかりか、安全性の確保も担保されません。

プラチナナノコロイドが活用される製品

酸化しないプラチナナノコロイドは、その抗酸化作用に注目が集まっています。プラチナナノコロイドに注目した企業は次々と製品を発売しています。

代表的な製品は、

  • 洗顔料・化粧品・乳液・美容液・クリームなどスキンケア商品
  • シャンプー・トリートメントなどヘアケア商品
  • ミネラルウォーターなど清涼飲料水
  • サプリメント
  • 栄養補助ドリンク
  • 医療用品

などです。プラチナナノコロイドを活用した製品では、主に皮膚の老化現象をゆるやかにすることを目的したスキンケア商品・サプリメントに人気があります。

プラチナナノコロイドは食品添加物としても認可されており、所定の量を経口摂取することが認められています。そのため、サプリメントのほか、栄養ドリンクやミネラルウォーターにも活用されるようになりました。

医療用品としての活用は遅れをとっているようですが、大学・企業により「病気に対する効果」の検証が進められています。

例えば、アプト株式会社の実験によると、プラチナナノコロイドが動脈硬化を抑制する可能性が認められたことが報告されています。メタボリックシンドロームを患ったマウスに、一定条件のもと、4週間プラチナナノコロイドを経口投与したところ、約50%の冠動脈周囲の動脈硬化の抑制が認められたのです。

老化現象をゆるやかにする目的のための利用はもちろんのこと、今後ますます、プラチナナノコロイドの医療用品としての活用が進むことが予想されるでしょう。

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この記事を書いた人

藤井 元人

ウェルネス事業部

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