IWASEコラム

その日焼け止め、本当にウォータープルーフ? UV耐水性試験とは?

日焼け止め製品の表示として一般的な「SPF」「PA」に加え、2022年12月1日より、
「UV耐水性★/★★」の表記が始まりました。

「UV耐水性」とは、今まで曖昧だったウォータープルーフ(耐水性)の定義を明確にするために
日本化粧品工業連合会が設定した基準。
2024年12月からは「耐水性」をうたう日焼け止め製品にはUV耐水性の表記が義務づけられ、
それがなければ「ウォータープルーフ」という表現も認められなくなりました。

では、UV耐水性を表記するためには、どんな試験が必要で、
表記にはどんなルールがあるのでしょうか。

UV耐水性試験とは?

UV耐水性試験は、国際標準化機構(ISO)の定めた紫外線防止用化粧品の
耐水性測定方法(ISO18861)に基づいて行われます。
具体的には、紫外線防止用化粧品を皮膚に塗布し、水流を発生させた30℃のお風呂で水浴。
その前後でSPF値がどれだけ保持されているかを確かめます。

UV耐水性試験の流れ

試験参加に同意いただいた人を対象として試験を実施します。

1.まず、背中に対して測定したい試料を塗布し、紫外線を照射。
16-24時間後の紅斑を確認することで、水浴前(通常)SPFを測定します。

2.続いて、同じ背中の新しい部位に対して試料を塗布し、
水浴処理をした後に、紫外線を照射し、16-24時間後の紅斑を確認することで、
水浴後SPFを測定します。

3.その後、水浴後SPF値を水浴前SPF値で割った、SPF保持率を算出し、
その値が50%以上であれば(※)、耐水性効果があると判断します。
(※)厳密には、SPF保持率平均値の90%信頼区間の下限値が50%以上

水浴時間は2種類あり、40分の試験と80分の試験が選択可能です。
実際の試験においては、試験に参加する人が水浴の途中に休憩できるように20分単位で実施しているため、
20分 × 2セットで40分試験、20分 × 4セットで80分試験となります。

製品への表記方法は?

40分の水浴試験で効果が認められれば「UV耐水性☆又は★」
80分の水浴試験で効果が認められれば「UV耐水性☆☆又は★★」

と表記することが可能です。

UV耐水性試験で測定対象としているのは”SPF”値であるため、SPF値(水浴前)を記載した上で、
UV耐水性表記をすることが必須です。
またPA値については、本測定方法とは関係が無いため、
必ずしもUV耐水性と併記する必要はありません。

(例1)
SPF 50+
PA ++++
UV耐水性☆☆

(例2)
SPF 25
UV耐水性★

「ウォータープルーフ」表記はどうなるの?

​​​​​従来より耐水性の機能を示す用語として使用されてきた「ウォータープルーフ」という言葉。
明確な定義はなく「汗や水などに強く、落ちにくい」という意味で用いられてきましたが、
今後、「ウォータープルーフ」表記は、製品ごとに注意が必要となります。

◯日焼け止め効果(SPF値記載)をうたう製品の場合

「UV耐水性★」又は「UV耐水性★★」表記が無い状態での “ウォータープルーフ”
表記は認められません。

また、UV耐水性とウォータープルーフを併記した場合も、
耐水性表示はあくまでも水に対する耐性を表すもので、「汗に強い」ことを示すものではありません。

◯SPF値を記載しない製品の場合

メイクアップ製品の化粧持ち性能については、本ルールの適用外となりますので、
各社の責任の下でエビデンスを取得し、従来通り製品に「ウォータープルーフ」を
表記することが可能です。

ご検討中のサンスクリーン商品、今後検討していく予定など含め、
ぜひお気軽にお問合せください。

「UV耐水性」表記のための試験、承ります!

受託試験を取り扱っているBIOXグループでは、
日焼け止め効果のあるSPF製品を開発される企業様向けに、通常のSPF、PA測定試験に加え、
「UV耐水性試験」の受託試験を取り扱っております。

日本の試験施設はもちろん、複数の国での試験施設での試験受託が可能です。
納期の早い施設、スケジュールが確約できる施設など、特徴に応じて柔軟にご紹介いたします。

また、メイクアップ製品の「ウォータープルーフ」試験もご紹介します。
お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

立石 卓馬

東京薬粧部 BIOXグループ

化粧品・化学品・農薬等に関する安全性試験、有効性試験の窓口であるBIOXグループに所属しております。
高校時代を米国で過ごした為、英語を生かして海外試験施設とのやり取りも行っております。
最適な試験提案ができるよう、情報提供していきます!

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