IWASEコラム

Pemu Pur™ START polymerについて

岩瀬コスファが提案する新原料「Pemu Pur™ START polymer」( Lubrizol 社、 Pemu Pur™ START polymer はLubrizol社の登録商標)は、軽くてフレッシュな感触を実現しつつ、低配合量でも優れた安定化能力をかなえる天然由来高分子安定化剤だ。
10%から50%までのオイルを配合でき、かつ低粘度を維持することが可能なのも特長といえるだろう。
スフィンゴモナス培養エキスの硬い二重らせん構造のゲルが、水相中で強 固なゲルネットワークを作り出し、油滴の優れた分散安定化を実現するほか、結晶セルロースの不溶性粒子が、油と水の界面に不可逆的に吸着し、合一化に対する効果的な機械的バリアを形成する。その際、セルロースガムは結晶セルロースどうしの凝集を防ぐ。

一般的に乳化剤は表面活性が高いほど、肌への刺激につながるが、同品において表面張力を測定した結果、表面活性を持たないことが示されており、敏感肌向け製剤に最適であることが確認されている。さらに、有機系紫外線吸収剤との適合性が高く、高い安定性を実現できるため、SPFの高いサンケア製品への応用も可能だ。また、エタノールも高配合することができる。
「エタノールを入れるメリットとしては、さっぱりとした感触を付与できるため、サンスクリーンなど夏物の製品には配合されることが多い」(同社)また、新原料「Hydrolite🄬 7green」(シムライズ社、シムライズ社の登録商標)の提案にも注力していく方針だ。

同品は、ヒマシ油からバイオプラスチックを製造する過程で得られる副産物・ヘプタノールを活用したサスティナブルニーズにマッチした製品。100%天然由来の防腐補助剤。表示名称は1,2―ヘプタンジオール。一般的にアルカンジオールは炭素鎖長が長いほど防腐効果は高くなるが、水への溶解性は低くなる。一方、炭素鎖長が短いほど水への溶解性は高くなるが、防腐効果は低くなる。そのため処方する際は工夫が必要となる。同品は、水への溶解が容易で、且つ防腐効果の指標となるMICの値から優れた製品保護成分として期待できる。様々な処方においても製品保護効果を発揮し、さらに他の防腐補助成分と併用することでより高い効果を実現できる。
また汗のにおいを低減させたり、皮脂を抑制する効果も確認できており、暑くなる季節や男性向け化粧品への応用もうってつけだ。さらに、抗酸化剤の効果を強力に増幅することも示されている。同品はトコフェロールの効果を助け、皮膚の活性酸素種を大幅に減少させた。処方中でもトコフェロールの抗酸化効果を高める結果が得られている。さらには、紫外線吸収剤の可溶化に優れ、且つ再結晶化を防止する、エマルジョンの安定化に寄与するなど、幅広く処方への応用が可能だ。

同社では、毎月ウェビナーを実施しているが、11月のウェビナーでは Pemu Pur™ START polymer を紹介したという。ウェビナーでは、原料紹介だけでなく、マーケットトレンド紹介などの情報発信も行っている。剤形とは、医薬品やサプリメントとして適した投与方法に沿い、快適に摂取できるように、原料を製剤化した錠剤やエキス剤などを指します。
医薬品の場合、薬物の有効量から含量を定め、内用・外用・注射の3種類から適した投与方法に適した形状が選択されます。剤形の形状は、大きく分類して固体・半固形状・液体・気体の4つです。


サプリメントの場合は、内用の投与方法で、通常は経口摂取に適した剤形が選ばれます。市販で発売されているサプリメントは固体・半固形状・液体で、経口摂取するタイプが一般的です。また、サプリメントの場合には、健康維持あるいは健康促進を目的に自発的に摂取するケースが多いため、摂取することを楽しめること、あるいは日常的に摂取しやすいような剤形が工夫されています。

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週刊粧業12月6日発行号「化粧品原料特集」抜粋

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