IWASEコラム

メイクを落とすだけじゃない。クレンジングのトレンドと応用製剤クレンジングバームのご紹介

クレンジングのトレンド

2022年のクレンジングのトレンドは、マスク常用化に伴い、黒ずみや角栓対策といった毛穴ケアのニーズが増加したため、汚れを泥や炭で吸着させて取り去るアイテムが人気になりました。また、クレンジング力に加えて、マッサージによって小鼻横のケアもできることから、バームタイプのニーズも増加しました。さらに、メイク落としの時間も「スキンケア」として、「とろける」や「うっとり」といった感情に訴える訴求が増えました。
2023年は新型コロナウイルス感染症の収束により、メイクをする機会が増えたため、クレンジングの市場は回復傾向にあります。

2023年国内のクレンジングトレンド

メイク機会の回復に伴い、基本的なメイク落とし機能へのニーズが高まったことで、洗浄力が強いイメージをもつオイル剤型の需要が増加しました。また従来のジャー容器のバームタイプに比べ、衛生面や簡便性に優れたチューブ容器のクレンジングバームが多く登場しました。
そして2022年に引き続き、泥や炭を配合し「毛穴・角質ケア」を訴求した製品が多く登場し、さらに、エプソムソルトを配合した「温感」訴求や、ビタミンC誘導体、レチノールやナイアシンアミドを配合した「エイジングケア」を訴求する製品も登場しています。

2023年海外のクレンジングトレンド

多くの国は日本と違い、硬水です。硬水で洗い流すと肌が乾燥しやすく、また洗顔時に洗顔料の界面活性剤と金属イオンがスカムを形成しやすく、肌トラブルの原因になりやすいです。そのため、拭き取り式のクレンジングが好まれる傾向にあります。手早く簡単にメイクが落とせて使用後のシートをゴミ箱に捨てるだけの手軽さ、便利さも人気の要因のひとつと予想します。
またヨーロッパ・アジアどちらの地域でもナチュラル・高い自然由来指数、クリーンを訴求した製品が多く、日本と比べて使用する原料を極力減らしたシンプルな処方の製品が好まれる傾向にあります。

応用製剤のご紹介

クレンジングバームの基本的な特徴

応用製剤の紹介の前に、バームタイプのクレンジング、いわゆるクレンジングバームの基本的な特徴について説明いたします。
クレンジングバームは、固化剤としてワックス、溶剤として液状油、洗浄成分として界面活性剤の3つから構成されています。構造として、ワックスの板状結晶で構成された内部空間に液状油と界面活性剤は存在しています。この構造はトランプタワーの形に似ていることから、カードハウス構造と呼ばれています。これを指で押しつぶすように負荷をかけると、カードハウス構造が崩れ、内部の液状油と界面活性剤が流出する作用機構となっています。

従来のクレンジングバームは、ジャー容器に充填されており、ヘラや指で掬い取ります。ジャー容器のメリットとしては、口が広く内容物を取り出し易いことが挙げられますが、その反面デメリットとして、水や菌が混入しやすいといった衛生面の懸念や、指で取るときに、爪の間などに入るなどといったことが挙げられます。
一方、最近はこれらのデメリットを解決する新たな形態として、チューブ容器のたクレンジングバームも登場しています。このメリットとしては、衛生面に優れており、ヘラや指で掬い取る必要がなく、簡便性に優れることが挙げられます。
しかしながらデメリットとして、繰り返しチューブを押すことでチューブ内部の製剤のカードハウス構造が崩れ、液状油が流出(離油)してしまうことが挙げられます。

クレンジングバーム×チューブ容器×高い自然由来指数とシンプルな処方

今回の応用製剤の作製に当たり、上記3つを処方開発の方向性としました。
また、世界的にナチュラル志向が高まっていることから、自然由来指数の高い処方を目指しました。合成系ワックス不使用で、植物由来原料のみを配合したクレンジングバームです。チューブ容器で使用しても、離油のしにくい処方となっております。その他に、下記3つの応用製剤もございます。
・ジャータイプのクレンジングバーム応用製剤
・スティックタイプのクレンジングバーム応用製剤
・チューブタイプのヘアバーム応用製剤

動的粘弾性試験機を用いた離油のしにくさの評価データや、国内・海外のクレンジング市場に関する資料をご用意しております。ご興味がございましたらこちらからお問い合わせください。

クレンジングにおすすめな原料のご紹介

サラコス PR-85 日清オイリオグループ株式会社

  • 植物由来成分のエステル油剤(自然由来指数:1.0)
  • 優れたクレンジング性能をもつ
  • 汎用植物由来エステル油剤(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)と比較し、加水分解耐性が良好
  • RSPO(MB)認証品

レオパール シリーズ 千葉製粉株式会社

  • 自然由来指数1.0(一部製品を除く)
  • デンプン由来のデキストリン(または、イヌリン)と高級脂肪酸の高分子エステル
  • 番手によって、透明性が高いものや、チキソトロピー性が付与できる
  • ワックスの硬度調整が可能

初めてレオパールを使用される方、うまく溶解ができないとお悩みの方は下記動画をご参考ください。
レオパール 溶解時の分散の重要性

クレンジングにおすすめの原料は他にも多数ございます。
ご興味がございましたら、お問い合わせください

この記事を書いた人

津瀬由佳子

プロモーショングループ

お客様に化粧品の原料情報を広く伝える業務に携わっています。
化粧品のラベルを見るのが好きで、裏面の成分をみて処方手順を想像するのが趣味です。
最近は、クロスステッチにはまっており、ひたすら針を動かすのが楽しいです。

投稿内容は個人の意見であり、所属企業・部門見解を代表するものではありません。
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