
こんなことでお困りではありませんか?
化粧品の原料・製品の眼刺激性試験を行いたくても他の試験法で「実施できない!」と言われた事はないですか?
本記事では、次世代の試験法「Vitrigel®-Eye Irritancy Test(Vitrigel®-EIT法)」についてご紹介いたします。
眼刺激性試験とは?
化学物質や製品が眼に直接接触した際に引き起こされる刺激性の程度を評価するための試験です。
化粧品や医薬品などの製品が、眼に刺激を及ぼす可能性があるかどうかを評価するために実施されます。
眼刺激性試験法「Vitrigel®-EIT法」とは?
Vitrigel®-EIT法は、人の眼の角膜表面にある上皮層の上皮バリア機能に着目した、新しい眼刺激性試験法です。
人の眼では、眼刺激性のある化学物質が触れると上皮バリア機能が破壊され、化学物質が角膜内部に侵入することで、
角膜の浮腫や白濁等の障害が引き起こされることが知られています。
上皮バリア機能の健全性を簡便に評価する方法として、経上皮電気抵抗値(TEER)測定があります。
健全なバリア機能を有する組織が高いTEER値を示すのに対して、バリア機能が障害を受けるとTEER値は低下します。
Vitrigel®-EIT法では、カルチャーインサートであるad-MEDビトリゲル®2上に構築した角膜上皮モデルに化学物質を滴下して、
そのTEER値の変化を専用の測定装置で測定することで、わずか3分間で化学物質の眼刺激性の有無を判定することができます。
対応可能な物質
- 固形物
- 難水溶性物質
- 還元性物質
- 着色物質
「Vitrigel®-EIT法」の特徴は?
- OECDテストガイドライン494に収載された国際的な公定法である。
- わずか3分間で化学物質の眼刺激性の有無を判定することができる。
- 着色性物質や還元性物質の測定も可能である。
- 混合物である製品への適用も広がっている。

試験デザインまとめ
試験法 | Vitrigel₋EIT法 |
ガイドラン | OECD TG494 |
指標 | 上皮バリア機能 |
細胞モデル | ヒト角膜上皮(hCE)モデル |
測定時間 | 3分間(被験物質暴露→TEER測定) |
対応不可な被験物質 | 酸性物質(pH5以下) 易相分離物質(撹拌後3分以内に相分離する物質) |
適応範囲 | GHS NCを判別 (NC:非刺激性) |
補足
- ビトリゲル(Vitrigel)は、高密度コラーゲン線維網で構成される膜素材のことを指します。ビトリゲルは農研機構の登録商標です。
- ad-MEDビトリゲルは、関東化学株式会社が製造販売しているカルチャーインサート(細胞培養器材)です。
- 眼刺激性試験法「Vitrigel®-EIT法」は、農林水産省「アグリ・ヘルス実用化研究促進プロジェクト」の支援を受けて、農研機構と関東化学の共同で開発されました。
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