IWASEコラム

いま化粧品業界でも求められている<生分解性試験>について

生分解性とは?

化学物質が環境中に放出された時、様々な形で分解されていきます。その中で、微生物による作用により、化学物質が別の化学物質に変化したり、水や二酸化炭素に分解されることを生分解といいます。
近年、環境問題やSDGsの観点から、生分解性は様々な分野で注目されています。

化粧品業界と生分解性

メイク製品に使用されるマイクロプラチックは、主に感触改良やシワぼかし効果(ソフトフォーカス性)などを目的として広く使用されてきました。
代表的なものとしては、球状のナイロン粒子・ウレタン・ポリメチルメタクリルレートなどが挙げられます。これらの粒子は高いソフトフォーカス効果と転がり性を併せもち、配合した化粧品の伸びが良くなる特性を有します。とくに、ポリメチルメタクリルレートは安価なため、幅広い用途で使われています。これらの代替素材として、シリカ・球状セルロース・酢酸セルロースなど様々な特徴を有した球状粉体が上市されています。

近年では生分解性を訴求した原料が増加しており、今後はこの「生分解性」が化粧品に配合される基準のひとつなるのではないでしょうか。

スクリーニング試験のご紹介

生分解性試験には様々な方法があり、ガイドラインもOECDやJISなど、多岐にわたります。
申請用途の場合は、ガイドライン通りにそれなりの費用をかけてデータ取得が必要ですが、SDSや社内データ・パッケージ訴求に使用する場合は、コストを抑え、簡易的なデザインでのご紹介が可能です。

今回はその中でも、比較的分解活性の高い「OECD TG301F」のスクリーニング試験をご紹介いたします。

種類易分解性試験本質的生分解性試験
ガイドラインOECDTG301CTG301DTG301FTG302C
測定指標・BOD
・DOC
・28日後の被見物質残留量
・DO
・28日後の被験物質残留量
・BOD
・DOC
・28日後の被験物質残留量
・BOD
・DOC
・28日後の被験物質残留量
特徴・標準活性汚泥を使用
・比較的分解活性が低い
・河川等の表層水を使用
・揮発性物質の際に用いる
・汚泥処理施設の活性汚泥を使用
・比較的分解活性が高い
・301Cと同じ汚泥を使用
・301Cより汚泥量が多く、被験物質濃度は低い
BOD(生物化学的酸素要求量):微生物が被験物質を好気的に分解・代謝する際に消費する酸素量
DOC(溶存有機炭素):水に溶け出す炭素(C)のみを測定する
DO:溶存酸素

試験デザイン

通常クーロ-メーターを用いて実施するところ、オキシトップという簡易的な装置で実施いたします。
◎装置が小型
◎OECD TG301Fと同等の方法
◎SDSへの記載も可能
◎コストダウン

納期 :約2ヶ月~2.5ヶ月
剤形例:洗浄剤、界面活性剤等 ※揮発性、難水溶性の物質は要相談

生分解性試験にご興味がございましたら、BIOXグループまでお問い合わせください。

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この記事を書いた人

津瀬 由佳子

プロモーショングループ

化粧品だけでなく、食品や日用品の裏面をみるのが趣味です。
最近は輸入のお菓子にはまっています。オススメはハリボです。

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