IWASEコラム

エイジングケア「乾燥による小じわを目立たなくする」効能評価試験【薬機法に基づく表示とは】

薬機法(医薬品医療機器等法)に基づいて表示するためには

「乾燥による小じわを目立たなくする」を標榜するための効能効果試験について

2011年7月21日に56番目に追加された項目、「乾燥による小じわを目立たなくする」ですが、標榜する為には、効能効果の評価試験を経て、実使用にて製品の効果を確認する必要があります。
薬機法においては化粧品に対して直接的な効能表示は認められていません。効果的な化粧品を選ぶためには、成分表示や製品の説明をよく確認し、信頼性のある情報を得ることが重要です。

試験方法は、日本香粧品学会 抗老化機能評価専門委員会によりガイドライン化された「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」の中にまとめられていますが、今回は実際にどんな試験なのか、試験結果が分かるまでにはどれほど時間がかかるのか、剤型による試験方法の違いも含めて、ご紹介いたします。

試験の流れ

ガイドラインに沿った目尻のシワグレード1~3のシワを有する健常な男女を被験者として、試験参加の同意を取得します。
その後、試験施設に来場いただき、0週目の測定を行った上で、試験品の連用使用を開始いただきます。

自宅で継続して使用し(ガイドライン上では2週間以上となっていますのでそれ以上)、試験期間終了後に再度試験施設に来場いただき、測定を行います。

無塗布部位と、塗布部位について、シワグレードを用いた目視評価又は写真評価、更に、レプリカを用いた二次元解析又は三次元機器評価を用いた評価を行い、統計解析の結果、いずれかで無塗布群との比較で塗布群の有意差が確認できれば、「乾燥による小じわを目立たなくする」の標榜が可能となります。

シワグレード説明(ガイドラインを基に作成)

※実際の写真グレードについては、参考URLのガイドライン P.318をご参照ください

医薬部外品での試験との違い

化粧品の場合は、シワグレード1~3の方を対象に試験を行うのに対し、医薬部外品の場合は、シワグレード3~5の方を対象に、製品の塗布vs.無塗布ではなく、有効成分配合品vs.プラセボ品として試験を行います。

その他にも、評価は二重遮蔽試験にする必要がある点、シワグレードの目視または写真評価と機器評価の両方で統計的に有意な差がみられる必要がある、試験期間も2ヶ月以上、シワ改善メカニズムが解明されている必要があるなど、よりハードルの高い試験内容となっております。

化粧品と医薬部外品の対比表(ガイドラインを基に作成)

剤型ごとによる試験方法の例

こちらの試験に参加する被験者として、「通常スキンケアとして化粧水・乳液のみを使用するようなシンプルなケアの方」などと、参加基準を設けて試験をすることも可能です。

化粧水・乳液

新しく開発した化粧水・乳液で乾燥小じわ効果があることを確認するためには、被験者が通常使っている化粧水・乳液を試験品に置き換える形で試験を実施します。
その際、目尻の部位については、塗布 vs. 無塗布となるように、試験品をしない部位を設定します。

美容液・クリーム・ジェル

美容液・クリーム・ジェルなどで乾燥小じわ効果があることを確認するためには通常使っている化粧水・乳液はそのまま継続し、追加で試験品の美容液・クリーム・ジェルなどを片側の目尻に使用してもらう形で試験を行う方法があります。

クレンジング・洗顔料

クレンジングや洗顔料などで乾燥小じわ効果があることを確認するためには、いくつかの方法がございますが、ガイドラインはリーブオン製品を想定して作成されていることから、詳細については、お問い合わせを頂けますと幸いです。

試験ご依頼から速報提示まで必要な日数

一例にはなりますが、試験をご依頼いただきますと、

1.計画書の作成、倫理審査、試験サンプルの手配、被験者の募集などを諸々含めて、約1ヶ月お時間をいただきます。

2.その後、4週間の連用期間を設定することが多いため、試験期間として一ヶ月必要となります。

3.試験が終了しますと、試験データの解析、有意差検定、報告書の作成の為、さらに約一ヶ月が必要となります。

そのため、ご発注から試験結果が得られるまで、合計約3ヶ月の納期がかかりますこと、ご留意いただけますと幸いです。

終わりに

受託試験を取り扱っているBIOXグループでは、主にスキンケア製品を開発される企業様向けに、
こちらの表記に関する「乾燥による小じわを目立たなくする」効能評価試験を取り扱っております。

日本国内、韓国の提携試験施設での委託実績があり、それぞれの施設ごとの特長を把握してますので、
お客様のニーズに合った試験施設がご紹介可能です。

お気軽にお問い合わせください。

参考URL:新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン

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この記事を書いた人

立石 卓馬

東京薬粧部 BIOXグループ

化粧品・化学品・農薬等に関する安全性試験、有効性試験の窓口であるBIOXグループに所属しております。
高校時代を米国で過ごした為、英語を生かして海外試験施設とのやり取りも行っております。
最適な試験提案ができるよう、情報提供していきます!

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