
クレンジング処方設計の要諦:トレンドと油剤の選択
化粧品市場では、「#ボタニカル」 、「#マイルド」 、「#W洗顔不要」 など、多様なコンセプトのクレンジングが登場しています 。これらのコンセプトを明確に打ち出すには、油剤の選択が重要です 。
しかし、植物油系やエステル油系など、複数の油剤を組み合わせた油剤リッチ処方を実現しようとすると、複数の乳化剤(界面活性剤)を使って最適なHLB(親水性・親油性バランス)を調整する手間が発生しがちでした 。これにより、処方設計の自由度が制限されていました。

油剤リッチ処方に最適な乳化・可溶化剤「レオドール 430V」
そこでご紹介したいのが、花王株式会社が提供する高機能乳化・可溶化剤「レオドール 430V(テトラオレイン酸ソルベス-30)」です 。この活性剤は、単一の乳化剤でありながら、その優れた特性により、処方設計の課題を大きく解消します。
- 簡便な処方設計:HLB値は10.5です 。多様な油剤との相溶性に優れている ため、複数の乳化剤を組み合わせる必要がなく 、単一の活性剤で簡便かつ自由自在な組み合わせの処方が可能となります 。
- 幅広い油剤への対応力:炭化水素油、エステル油、植物油を含む単一油剤 だけでなく、複雑な混合油剤に対しても優れた相溶性・乳化力を発揮します 。
- 極性油リッチ処方も容易に:従来はHLB調整が必要だった極性油リッチ処方も、レオドール 430Vのような一剤の界面活性剤で簡便に調製可能です 。
| レオドール 430V | |
| 表示名称 | テトラオレイン酸ソルベス-30 |
| INCI name | Sorbeth-30 Tetraoleate |
| 医薬部外品 | ◯ |
| 主な用途 | クレンジングオイル等 |
自由度の高い処方設計を叶える
レオドール 430Vは、「油剤リッチ処方に最適な乳化・可溶化剤」として 、市場が求める多様なクレンジングコンセプトを、簡便かつ安定的に具現化し、処方設計の自由度とスピードアップに貢献します。
ぜひ、次期製品の開発にご活用ください。









師走に入り、街の空気もぐっと冷たくなりました。皆様におかれましては、体調管理に十分ご注意ください。
さて、今年度はコラム作成に力を入れ、目標の4本を無事に完遂することができました。
この達成は、日頃コラムを読んでくださる皆様の関心の高さに支えられた結果だと感じております。
投稿した記事が、皆様の新たな製品アイデアや技術的な課題解決のきっかけとなっていれば幸いです。
来年もスキンケアチームは5名体制で、市場の「今」と「これから」を見据えた、一歩踏み込んだ知見を発信してまいります。引き続きご期待ください!