IWASEコラム

腸活のススメ!Part2 腸管免疫とアレルギー

2月、3月、4月は特定の人によっては1年で一番つらい時期かもしれません。
そうです。
花粉症のシーズンです。

3月半ばにスギ花粉の飛散はピークにさしかかろうとしています。
ヒノキ花粉も4月上旬にはピークを迎える予測です。

今年は花粉の飛散量が例年より多く、花粉症の症状を発症される方が多いみたいですね。

スギ花粉は、植えてから25年から30年でたくさん飛ぶようになります。
戦後に植えたものが、1970年代から花粉をたくさん飛ばし始め、花粉症が社会問題になり、今や日本国民の3人に1人がスギ花粉症にかかっており、国民病とも言われるようになっています。

ただ、昨今では花粉を飛ばさないスギ「無花粉スギ」にどんどん植え替えられていっていますが、伐って、使って、植える、という植え替えサイクルで進めているので、全て無花粉スギに替わるのにはまだまだ時間がかかりそうです。

免疫と花粉症

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。
季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
アレルギー性鼻炎は主にアレルゲンと言われる原因物質に反応することで症状がでます。

私たちにはもともと身体の調子を整えるために機能している、病気を引き起こす異物から身体を守る仕組みとして「免疫」があります。
この仕組みが、ある特定の異物(ダニやスギやヒノキの花粉、食物など)に対して過剰に反応して、結果自分自身の身体を傷つけてしまう症状を「アレルギー反応」といいます。

免疫には2種類あり、1つは生まれた時から備わっている自然免疫、もう1つが後から獲得していく獲得免疫です。
病気を引き起こす異物である感染した病原体を得意的に見分け、それを記憶することで、同じ病原体に出会った時に効果的に病原体を排除できる仕組みがあり、これを獲得免疫と呼んでいます。

獲得免疫の代表としてヘルパーT細胞があげられますが、抗原の種類によって「Th1細胞」と「Th2細胞」に分けられます。

  • Th1細胞・・・・細菌やウイルスを担当
  • Th2細胞・・・・花粉やダニ、ホコリなどのアレルゲン担当

どちらか一方の反応が過剰にならないように、それぞれの細胞から分泌されるサイトカインがお互いの働きを抑制し合うようにも働いていてシーソーのようにバランスは保たれています。
しかし、Th1細胞の免疫刺激が弱っている状態では、Th2細胞への抑制もきかなくなってしまい、結果、Th2細胞の免疫反応が過剰な状態となり、アレルギー症状がでてしまいます。
そのため、Th1細胞とTh2細胞のバランスを保つことが重要となります。

じつは、人の免疫細胞の60~70%は腸管に集まっていると言われています。
細菌やウイルスをはじめ感染源の多くは口や鼻から体内へ侵入するため、腸までの消化管は常に外敵の脅威にさらされています。
腸管壁にはパイエル板という免疫器官が存在し、ここから病原菌などが取り込まれT細胞、B細胞などの主要な免疫細胞が協力して病原細菌抗原が体内への侵入を防ぐ働きをしています。

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乳酸菌の死菌でも身体に良い作用があるということを聞いたことがあると思います。
乳酸菌(死菌)を摂ると、腸管壁のパイエル板で取り込まれ免疫細胞が外敵と認識し活性化します。
このとき活性化される細胞が「Th1細胞」です。
Th1細胞が活性化されると、Th2細胞の免疫反応が抑えられるため、アレルギー症状を抑えることに繋がります。

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公益財団法人腸内細菌学会 用語集

この記事を書いた人

藤井 元人

ウェルネス事業部

口に入れる食品原料や製品取り扱うウェルネス事業部に所属しています。
いろいろなモノを口に入れすぎて、最近では植物エキスの苦味も美味しく感じるようになりました。

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